私はプロイラストレーターとして絵を描く技術がありますが、実はそれとは別に１８年以上続けていて、イラストを描く際に活用しているものがあります。それは合気柔術や居合といった「武術」や「肥田式強健術」という心身鍛錬法によって培った感覚・技術です。えっ、それって絵と関係ないでしょう？と思われたかもしれません、普通はそう思いますよね。でも私の場合は深く関係しているのです。

武術というのは、いわゆる「技」が相手に効かなければいけないわけですが、技が効く条件を徹底して検証していくと、身体を巡る内的なエネルギーの流れが良い状態だと、より技が効きやすくなるという発見があったのです。内的なエネルギーといきなり言われても何のことか分からないと思いますが、いわゆる「気」とか「生命エネルギー」とかそういったもののことです。その内的エネルギーを修養するために、練功（れんこう）という特殊な訓練をするのですが、それにより、ものすごく繊細な身体と心の感覚が養われます。私はこの深い感覚を練っていくにつれて、ある時、もしかしたらもう一つの得意分野である絵を描くことでもこの繊細な感覚を活かすことができるかもしれないと思い、研究を重ねました。

そうしていく内に、ただ普通に描いた時よりも明らかに絵の質や空気感が良くなっていったのです。何人かの方にイラストを見せたところ、「すごく惹きつけられる」「パァーっと頭のもやもやが晴れていく」といったご意見を頂きました。イラストレーターとしては少々変わった経歴かもしれませんが、心身鍛錬という専門分野を同時に持ち、絵画技術だけでなく描き手としての自分の心身にも目を向けて、それをダイレクトに絵に反映できるのが私の強みであり持ち味です。

とはいえ、ただ真面目なだけではなく、イラストはやはり「素敵に楽しく」ですので、それを忘れずに描かせていただこうと思っています。ご依頼いつでもお待ちしております！